「臨床工学技士基本業務指針 2010」 【呼吸治療業務】抜粋

A.治療開始前
1.人工呼吸装置、吸入療法機器及びその他人工呼吸装置として使用する機器・回路等の保守点検
及びその記録
2.人工呼吸装置として使用する機器・回路等及び操作に必要な薬剤及び操作条件(監視条件を含
む)の指示書等の確認
3.人工呼吸装置として使用する機器・回路等の準備
4.人工呼吸装置の組立及び回路の洗浄
5.人工呼吸装置の操作に必要な薬剤・治療材料の準備
○6.人工呼吸装置の始業点検
B.治療開始から終了まで
○1.人工呼吸装置回路の先端部(コネクター部分)の気管チューブへの接続又は気管チューブから
の除去
○2.人工呼吸装置回路の先端部のあらかじめ接続用に形成された気管切開部(気管チューブの挿入
部分等)への接続又は気管切開部からの除去
○3.人工呼吸装置回路の先端部(マスク、口腔内挿入用マウスピース及び鼻カニューレ等)の口、
鼻への接続又は口、鼻からの除去
○4.呼吸訓練に使用する人工呼吸装置の操作
◎5.人工呼吸装置の運転条件及び監視条件(一回換気量、換気回数等)の設定及び変更
◎6.吸入薬剤及び酸素等の投与量の設定及び変更
7.呼吸療法の使用機器等の操作に必要な監視機器の監視(人工呼吸装置の監視部分の監視)
○8.人工呼吸装置の使用時の吸引による喀痰等の除去
◎9.動脈留置カテーテルからの採血
10.呼吸療法の使用機器等の操作並びに患者及び監視機器の監視に関する記録
11.人工呼吸装置の機能維持および治療効果の評価
C.治療終了後
1.人工呼吸装置、吸入療法機器の消毒及び洗浄等
D.その他
1.医師の確認を受けた呼吸訓練及び酸素療法に関する情報の患者への提供
E.特記事項
1.気管挿管チューブ及び気管切開チューブの挿入及び設置又は除去は医師が行う。
2.気管内洗浄については、医師が行いこれを補助するものとする。
3. 喀痰等の吸引については、人工呼吸装置の操作を安全かつ適切に実施する上で必要な行為で
あり必要に応じて適宜行う。また、実施後は人工呼吸装置の正常な作動状態を監視すること。
4.呼吸訓練に際しての人工呼吸装置の操作に関する医師の指示は具体的に受けるようにし、医
師、その他の医療関係職種等と十分に連携した上で業務を行う。
5.医師の決めた人工呼吸装置の操作条件及び薬剤の投与量等に従い、臨床工学技士はこれらの
条件等の設定及び変更を行う。こうした指示については操作前に医師から受ける書面等による
指示の他、操作中の指示についても、できる限り具体的に受けなければならない。
6.治療開始前に、人工呼吸装置の操作に必要な薬剤・治療材料及び使用する機器等の操作条件
(監視条件を含む)の指示を医師から受けている場合であっても、業務を遂行するに当たり機
器等の操作に関して疑義のある点については治療に先立ち、改めて医師の最終確認を受けなけ
ればならない。
7.身体に直接針を穿刺して行う血管からの採血及び血管内への輸血等を、臨床工学技士は行っ
てはならない。
8.動脈留置カテーテル採血は医師の具体的な指示を受けなければならない。
9.呼吸治療業務の対象と考えられる機器は人工呼吸装置、吸入療法機器、給湿器、酸素濃縮器、
気体流量計、酸素濃度計及び監視機器等である。
10.在宅呼吸療法では、人工呼吸装置の操作及び日常点検及び緊急時の対処法等を、予め医師そ
の他の医療関係職種等と緊密な連携の下に、患者及び家族等に指導を行い、十分な安全の確保
に努めなければならない。

 

 

 

 

臨床工学技士は、総体として医師の指示の下にその業務を行わなければならないが、特に引き続く
一連の業務の各段階で医師の指示で行える業務には○印を付し医師の具体的指示を受けて行わなければならない法令上の特定の行為には◎印を付して示した。勿論それ以外の項目についても必要に応じて医師の指示を受けることにより、適正かつ円滑な業務の推進に努めることが望まれる。

 

 

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